豊かな人間関係を積み上げよう

これからの社会、豊かさをはかるバロメーターは、金銭的な蓄えのたかのみではなく、自由に使える時間がどれだけあるか、そして人間関係のネットワークがどのくらい広がっているか、で計られるといわれます。ある調査によると、「人間関係が減ること」は、未来の不安の大きな要素になっています。人間関係も貯蓄と同じ。一朝一夕では、蓄えることはできません。時間をかけてコツコツと。これが、“人的蓄財”を豊かにふくらませるためのコツなのです。

 

■友達は、老後の精神生活保障

 

男性には聞かせられない内緒話ですが、中高年の女どうし、よくこんな会話をするもの。「子どもは巣立っていっちゃうし、亭主は元気で留守がいい。結局、いちばん自分の支えになってくれるのは女友達ね」

異論はあるかもしれませんが、案外、本音でもあるのです。夫婦あい和し、の構図は美しいものですが、夫婦と友達はやはり存在意義が異なります。心を割って付き合える友人は、精神的な生活保障だといっても過言ではありません。あなたは、生涯の友といえる人をもっていますか?

シニアプラン開発機構の調査によると、中高年の男性では10人に2人は、生涯を通じて付き合える友人がない、と答えています。

老後を襲う3大不安は、病気、貧乏、孤独です。このうち、孤独だけは、行政など他人の手では救いようがありません。物理的に周囲に人がいる環境にあっても、本当に気心許せる相手がなければ、かえって深々とした孤独感にさいなまれてしまうことだってあるのです。

生涯の友を得るには、普通は長い年月を要します。この友になら、何をいっても受け止めてもらえる……そうした人間関係をぜひ、つくりあげておきましょう。

会社人間を自認する方なら、仕事の関係でどこかウマのあう人に出会ったら、できるだけプライベートな付き合いも重ね、生涯の友人に育てていく努力をしたいものです。

 

■隣近所に、最低5人は友達を

 

毎日、会社に行っていたころは、一日の大部分は会社やその周辺で過ごしていたもの。学生時代の友達と会う、というような場合もお互いの勤務先の近くで、ということが多かったのではないでしょうか。

でも、離職やリストラ、定年後は、一日の大部分を過ごすのはわが家かその周辺。家の中でごろごろしていれば、「粗大ゴミ」なんていわれそうですし、「誰かと会うか」と思っても、そうそうしょっちゅう呼び出すわけにもいかず、結局、駅前あたりをぶらぶらして、Uターンではちょっぴり情けない感があります。

我が家で過ごす日々に必要なのは、なんといっても近所の友達。地域社会に充実した人的ネットワークをもつことが重要なポイントとなってきます。

まず、目標は、歩いて行ける近所に、少なくとも5人は、気楽に行き来できる友達をつくりましょう。友達づくりも努力しだい。はじめはかなり意図的に、自分から意識して積極的に努力することが必要です。

Nさんは2年ほど前から、健康づくりのために自宅付近のジムに通い始め、そこの顔見知り同士で、飲み会を始めました。

「体を動かした後、ビールが飲みたくて」

というのが最初のきっかけ。顔なじみではあっても、話をしたこともなかった人に思いきって声をかけてみたところ、意外にも二つ返事だったといいますから、きっと相手も近所仲間を探していたのかもしれません。2人より3人、3人より4人……としだいに人数がふくらんでいって、いまでは、花見で一杯、夏はナイター観戦に誘い合わせて、と何かと口実を作っては集まるようになったそうです。

内心はみな、近所に友達がほしいと思っているのかもしれません。問題は、誰が言いだすかです。思いきって、自分から言いだしてみましょう。このちょっとした勇気が、友達づくりの貴重な第一歩となるのです。

 

■パソコンや電子メールを通じて

 

パソコン通信で知り合った同士が恋に落ちていく……。そんな人間関係を描いた「ハル」という映画が話題になったことがありました。そんなものは若者たちの話、長く続くわけはない……などと思ったら時代遅れ。

アメリカでは、日本よりもずっとパソコン通信が盛んで、その主体は、なんと高齢者だといいます。

考えてみれば、パソコン通信は、家にいながら楽しめる、体をあまり使わないので疲れない、など、利点満載。かりに、体の自由がきかなくなってしまったとしても、パソコン通信をマスターしていれば、指先が少し動きさえすれば、いつまでも交流を楽しめます。

パソコン通信は、原則として、年齢や性別、本名などをなのらなくてもよいので、高齢者も若者も、男性も女性も関係ない人間関係をつくりやすいシステムだといえます。やがておたがいが実際に会って付き合いを深めたいというように発展していき、通信仲間が集まりをもつようになるケースも増えてきているようです。

若者は若者同士、高齢者は高齢者同士し、というような固定的な人間関係ではなく、もっとさまざまな年代、職種の人たちがクロスオーバーして付き合いたい。そんな人間関係づくりのきっかけとして、パソコン通信は今後、もっともっと盛んになっていくでしょう。

パソコン嫌いから抜け出し、新しいネットワークづくりを今から準備してはいかがですか。

 

 

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