自己流アイメークアイテムとその危険

 日本女性は民族的に一重まぶたか奥二重が多い。しかし、町を歩いていると圧倒的に二重まぶたの人が多い。それらの人が二重まぶたの整形手術を受けているわけではないが、何らかの方法でウ二重まぶたをつくっているのだ。自分でつくる二重まぶたは、一見、安全なように思えるかもしれないが、皮膚がかぶれたり、傷ついてしまったりすることはまれではない。今や信頼できる医師にかかれば、ほとんど心配はなく、傷跡もほとんどわからない。かえって自己流のアイメークは手軽なだけにさまざまなトラブルを生み出している。

■アイテープ、アイプチ、そして涙袋
「自宅でできる二重まぶた」の代表は、「アイテープ」といい、細いセロファンテープのようなもの。これを目の淵に張り付けて二重まぶたのように見せる。接着剤使わないので初心者にとっては安心だし、手軽でもあるため、愛用者も多い。もうひとつは二重まぶたの代名詞になった「アイプチ」。これは特殊な接着剤をまぶたに塗り、プッシャーと呼ばれる棒状の器具で二重になるよう張り合わせて使用する。「アイプチ」は一度張り付けても、時間がたてばすぐ元の一重に戻るので、長期間使用して“くせ”を付ける。これらに加えて最近の大きな目のトレンドは、目の下の膨らみを「涙袋」だ。情感豊かな言葉で表す日本人らしい、新たなメークトレンドが流行っている。従来はあまり気に留められていなかったが、最近の涙袋の張った若手女性タレントの活躍などで、「涙袋があると目が大きく見える」などと注目の的になったよう。そこで「涙袋が欲しい」との切実な願いを受けて、斬新な涙袋メーク商品が続々開発されている。下まぶたに一塗りで涙袋風の立体感を演出するスティックなど10品が並ぶなか、「入荷早々に完売」を繰り返す一番人気が、極細粘着テープを下まぶたに食い込ませることで物理的に涙袋を盛り上げる「リアルタンク」という商品。商品棚に「涙袋が膨らむ魔法」のポップと使用前・後の写真をみて、制服姿の女子高校生が「ヤバイ!」と驚嘆。アイテープとは、上まぶたに食い込ませて二重まぶたを作る“一重ギャルの必需品”ともいわれる商品だが、ここからヒントを得て逆さに使うようにして涙袋をつくる。整形手術に頼る外国人と違い、「自力で」を大切にする日本人ならではのお悩み解消アイテム。使い続けるうちに二重や涙袋のクセが定着する人もいるそうだ。ちょうど救急ばんそうこうの素材に似た長さ3・5センチ、幅2ミリほどの三日月型の粘着テープの両端を伸ばして、下まぶたに沿って装着。すると、涙袋がぷっくり、テープもほぼ見えない。目が縦に伸びる“デカ目効果”がうけたようだ。涙袋へのこだわりは、きゃりーぱみゅぱみゅさんや武井咲(えみ)さん、板野友美さんなど、涙袋がチャームポイントのタレントの人気とともに自然発生したらしい。涙袋アイテムはエスカレートし、中小メーカーが先行するなか、有名化粧品メーカーも参入。密着力が強いリキッド状のアイライナー「ケイト ティアリードロップライナー」も登場。ベージュ2色と、膨張色で涙袋がパーンと張ってみえるピンクがオススメとか。目が腫れぼったく見えるピンク系アイシャドーのマイナスイメージを、逆転の発想で下まぶたに活用したというところだ。しかし、この涙袋メークの流行は今のところ、日本固有のものらしい。もともと彫りが深くて目の大きな西洋人には必要ないのだろう。日本人独特の感覚と美意識であり、日本人は細部にまでこだわるので、独特の追求法が生れる。下まぶたにヒアルロン酸を注入する美容整形手術もあるが、上まぶた同様、メークでなんとかという知恵と工夫こそが涙ぐましいかも。

■もっとも敏感なまぶたの刺激は多くのトラブルを生み出す
 ある女性はアイテープを使用を続けたことで、まぶたが伸びきってしまった。でも、使用をやめると垂れ下がったまぶたになり、視野も狭まるため、今も使い続けている。まぶたに幾重ものしわができ、使用をあきらめ一重に戻った人もいる。二重まぶた化粧品への依存度が高い女性は、買い物などちょっとした外出でも必ず使用するという。一方、完全な二重まぶたを手に入れたことで、コンプレックスから解放され、明るくなったという人もいる。共通点は一重まぶたに強いコンプレックスを持ち、二重まぶたを手に入れるまでに化粧品を使用していることだ。完全な二重まぶたにはならないがプチ整形に走る女性も多い。二重まぶた化粧品を購入する年代は、未成年の若い女性が圧倒的に多いという。500円程度の廉価な商品が人気。使い過ぎたりするとまぶたを傷つけることを販売側も説明し、異常があれば使用しないよう注意する。しかし、それでもなお使用する人は多いという。他人に二重まぶたでないことを知られてしまうことを恐れているケースが多いからだ。しかし、肌に異常があればすぐに中止することが大切だ。まぶたという部分は人間の皮膚のなかでももっとも敏感な場所であることを忘れてはならない。敏感なのだから、何であれ異物をつけることはよくない。テープを貼ったためにかぶれてしまったという例は無数ある。テープに付着している細菌によって結膜炎にかかった人、眼瞼縁炎にかかった人も数知れない。また、テープを張り付けると、まぶたの皮膚がますますたるんでしまい、貼らないと二目とみられないようになってしまった例もある。まぶたにおかしなクセがついて目の形が歪んでしまった例も多いので、安全そうに見えてもひどく危険であることを忠告したい。

■一時的にシワはとれてもテープをはがせば元の木阿弥
 人間、年をとってくれば、誰でもシワだらけになる。宿命的なものなのだ。しかし、女性にとってはこの宿命は受け入れにくく、なんとしても抵抗したい相手なのだ。だから、「あまり笑わせないでよ。シワが増えるじゃない」は女性の口ぐせ。シワは真皮のなかにある弾力繊維が衰えることによって生じる。若く健康な肌にはこの弾力繊維は平均に並んでいるのだが、年をとるにつれてところどころに固まったり、もつれたりするようになる。その結果、皮膚に弾力がなくなり、シワやタルミができるのだ。もともと皮膚には天然クリームである皮脂が分泌され、しっとり保たれるようにできているのだが、外からの刺激によってバランスが崩れ、天然クリームも潤滑に分泌されなくなると、シワやシミができやすくなる。このとき、やたらに強くマッサージをしてシワを伸ばそうとする女性は多いが、これは逆効果。皮膚は伸ばせば伸ばすほどシワが深くなってしまう。一度できたシワはどんなクリームを塗っても元に戻ることはないのだ。唯一、美容外科でシワとり手術をしてもらうしかない。たるんだ皮膚を伸ばして余分な皮膚を切り取り、縫い縮めるという方法しかないのだ。ところがこれと似た方法のシワ取りテープが売り出されている。「たるんだ皮膚を特許リボンと医療用テープを併用して外から見えないように頭髪のなかに固定。整形美容と同じ方向で皮膚を引き延ばすので、危険はないし、その場で効果が確かめられ、個性豊かな自分を取り戻すオシャレ用品」という商品。つまり、たるんだシワを伸ばし、すみのほうでセロテープのようなもので固定するというわけだ。こうすれば、確かにその場では一見、シワは消えたかのようにみえるだろう。しかし、テープをはがせば再びクッキリ現れる。テープで強く引っ張れば引っ張るほど皮膚はたるみを増し、シワはより深くなっていくだけのことだ。

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