肥満人口が飢餓人口を上回った歴史的瞬間!

400万年という長い歴史を人類は常に飢餓と戦い続け、次第にエネルギーを倹約して使う能力を獲得してきました。ほんの少しの食べ物から、十分に栄養を吸収することができる優秀な能力をもった人だけが生き残り、その優秀な遺伝子を子孫に伝えてきたのです。それが飽食の時代になると肥満という害をもたらしました。現代のような飽食の時代が続き、肥満が飢餓を駆逐するようになったら、長い歴史で獲得してきた遺伝子のために、人類はみな、肥満との戦いを強いられるようになるのでしょうか。

 

■2011年、ついに飢餓の歴史に幕が……

現代のように食べ物がふんだんに手に入る時代になると、その優秀な遺伝子ゆえにエネルギーを蓄え過ぎることになってしまいます。人間という種を保存し、継続させてきた優秀な遺伝子は、その優秀さゆえに逆に健康を害し、寿命を縮めてしまう、という人類史上かつてなかった皮肉な事態がおこっています。

20世紀末のアメリカでの調査によると、地球上の飢餓人口は約11億人、そしてなんと肥満人口も約11億人に達し、21世紀には肥満人口が飢餓人口を越えるのではないかと予測されていました。ところが、国際赤十字社の統計によると、2011年9月22日、肥満人口が栄養不足人口を上回ったことを発表(『世界災害報告』2011)しています。ついに人類の長い間戦ってきた飢餓との歴史に終止符が打ち、新たに肥満との戦いの歴史を踏み出したのです。

■飢餓か肥満かの諸刃の刃

今回の統計は、地球規模における飢饉に起因した飢餓ではなく、食糧分配の偏り、食糧価格の高騰、食料の廃棄などの問題視されており、そこには投機的な背景や地域的な気候変動が関わっているといわれています。つまり、かつての飢餓の原因であった飢饉による食糧難が生み出した結果ではなく、食糧が平等に行き渡らない状況が今回の結果を生み出しているというわけです。でも、一市民にとってみれば、自分の生きる環境が、食糧難と戦うのか、肥満と戦うかの諸刃の刃を突きつけられたことになります。

■日本人に突きつけられた刃

今や日本では肥満人口が増加の一途をたどり、推計2300万人(男性1300万人、女性1000万人)に達しています。しかも、この肥満人口のなかで健康な肥満者は約半数。半数は生活習慣病(糖尿病、高血圧症、高脂血症など)を合併しています。日本人の肥満、過体重の出現率は20~24%と考えられていますが、その半数はすでに病気。日本人は民族的に肥満度が低くても病気になる率が高いという皮肉な体質をもっています。ところが、医療保険で治療対象になる肥満度の人は全体の2~3%程度。多くの肥満者は、肥満だけで治療は受けられず、合併症を発症してからしか治療の手はのべられません。ということは、日本人に突きつけられた肥満の刃は、自分に突きつける刃なのです。

 

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