ハイヒールがつくる腰痛、頭痛、うつなどの深刻な症状

 整形外科を訪れる患者の70%は腰が痛いと訴える。このうち若い女性が占める割合は約10%だが、その80%ハイヒールによる腰痛なのだ。ある調査によると、ハイヒールを履いている女性の8割が誤った歩き方をしており、7割が快適に履き続けるのは「1時間が限界」と感じていることが、医療・健康用品メーカーが行った調査でわかった。

■足に合った靴を選ぶか、靴に足を合わせるか
 調査は首都圏、関西圏、中部圏の15~49歳の女性で、5センチ以上のハイヒールを週4回以上履いている女性412人を対象に、インターネットで行われた。ハイヒールを履いて快適に歩ける時間を聞いたところ、70%が「0~1時間」と回答。不快の原因で多かったのは「足裏の痛み」(76%)と「足指の痛み」(61%)。割合は少ないが、膝や肩、頭の痛みという答えもあった。ハイヒールで歩くときの着地の仕方については、56%が「かかとから」、26%が「親指の付け根から」、18%が「足全体を一緒に」と回答した。かかとや親指から着地しようとすると、無理な姿勢になり、ひざに負担がかかる。足裏全体で着地しようとするのが負担の少ない歩き方のだ。だから、バランスをとるためにお尻を突き出すように前屈みに歩き、椅子に座ったときには猫背になる。さらに、ヒールが高くなるほど足指に大きな負担がかかり、血行や動きが悪くなる。それが腰痛や肩こり、頭痛につながる。腰が痛くならないまでも、多くの女性はハイヒールにまつわる苦い経験がひとつやふたつはあるものだ。そしてかかとや足の裏にはマメやタコのいくつかがあるだろう。日本人の95%までが足の裏になんらかの傷跡があるといわれているほど、靴の影響は甚大なのである。町を歩いていてステキな靴をみつけると、女性は盲目になってしまうものらしい。ろくに調べもしないで簡単な試着の上、衝動的に買ってしまう。もっとも店側も入念に試着されることを嫌う。そして翌日、その靴を履いてさっそうと町へでるが、ものの10分もしないうちにかかとがずきずき痛み、爪先がしびれてくる。それでも、「私はステキな靴を履いているのだから、このくらいの痛みは」と虚栄心が痛みをガマンさせる。「何回か履いているうちに、マメはつぶれて痛くなくなるし、足のほうが靴にあってくる」と無茶なことを考える。「靴は足に合わせるのではなく、足を靴に合わせるのだ」という、無茶苦茶なことを言う人も少なくない。そのうち、足には取り返しのつかないマメやタコができてしまう。生活が欧米化するにしたがい、靴を履いている時間は長くなる。足に会わない靴や極端に高いヒールは足を醜くするだけでなく、身体にさまざまな障害をおこすことを覚えておこう。新しい靴で足が痛くなったら、応急的には指をグー、パーと横に広げる、足裏の筋肉を縮めてアーチ状にするなどのエクササイズが効果的。

■足の痛みから腰痛、頭痛、うつなどの深刻な症状が……
 人間の足は28本の大小の骨と、20数本の筋肉、骨と骨を結んでいるパッキンの役割をしている靱帯からできている。そして、体重の80%がかかとにかかり、残りの20%は親指と小指にかかっている。ところが、ヒールの高さが増すにつれてカカトに加わった圧力は親指、小指のほうに極端に移動する。このとき、足が指が自由に横に広げるだけのスペースがあればよいのだが、ハイヒールの先端はたいていは細く、指はぎゅうぎゅうに押し込められていつのが普通だ。そうなると、足のなかでも一番圧力がかっている親指の関節包(関節を包んでいる部分)はゆるみ、さらに靱帯もゆるんで第一中足骨が内側に張り出して亜脱臼をおこす。簡単にいえば、親指が外側に張り出して“くの字”に曲がってしまうのだ。さらに細いハイヒールで指の付け根が締めつけられ、さらに爪先に圧力がかかると、指と指の間を走っている足趾間神経炎が刺激され、狭窄性神経炎をおこす。足趾間に一種のおできのようなものができあがって、激痛をおこすのだ。こうなると、いくらマッサージしてもたいていは手遅れ。さらに、ハイヒールをはくと、常に指には“しなり”とか“ねじれ”などの外圧がかることになる。これはその部位の骨折につながる。この骨にヒビの入った女性は案外多いのだ。土ふまずを支えている足の筋肉や中足骨同士で形づくっている横のアーチを支えてる中足骨間靱帯がゆるむと、かかとや足の裏が痛み、偏平足になりやすくなる。そのためにカラダを支える力が弱くなり、首や肩のこり、腰痛に悩むことになる。ハイヒールは格好もいいし、ステキだし、できる女のシンボルのようなもの。でも、足への負担を考えると、ほどほどにしたほうがよさそう。

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