せきやたんが続く……肺気腫かも

 コンコンといった軽い咳、咳き込まないと治らないひどい咳……いずれにしても咳が続くと真っ先にかぜを思い浮かべますが、簡単に治ってしまったならばあまり問題はありません。でも長引いたり、発熱が加わったりしたら危険信号。急性なら肺炎、慢性なら慢性気管支炎かもしれません。ともに死亡率の高い病気なので、早めに受診しましょう。

■せき・たん・息切れは肺の病気の3大症状
 せきやたんが多くなってきても一過性で治ってしまう場合にはあまり問題ありません。それが長く続いたり、そこに他の症状が加わったりしたら、それは単に生理的なものではなく、病気の進行が考えられます。まずひとつには、せきやたんが1年の間に3カ月以上続く場合には、呼吸器に何らかの疾患があると考えられるため、専門医に受診して確かめましょう。もうひとつ重要なのは、息切れです。急ぎ足で歩いたりしたとき「ハーハー」「フーフー」といった感じはありませんか。いつもなら平気で行っているポストまでの距離なのに、息苦しくなって途中で休憩しなければならなくなったり、ふだん何気なく昇っていた駅の階段なのに、途中で休んで呼吸と整えないと昇れなくなったときなどは「年だから」「体力が低下したのかな」と考えてがまんしないでください。実は、こうしたいつもなら平気でできる動作を息切れがしてできなくなったら、何らかの病気を疑ってみましょう。息切れがおこると心臓の病気と考えがちですが、肺の病気でもおこります。肺の病気の慢性症状として典型的なのがせき・たん・ 息切れの3症状。そしてこの慢性の症状に発熱が加わったり、たんの色が黄色くなった場合には、慢性疾患に急性の炎症が加わったと考えられます。この場合にはとくに早急に受診し、治療を受けなければなりません。
■肺全体のガス交換機能が低下する肺気腫
 肺胞の壁は風船のようにふくらんだり、しぼんだりしてガス交換を可能にしていますが、この伸縮性が失われ、最終的には壊れてしまう病気が肺気腫です。枝分かれした気管支の先端にある炭酸ガスと酸素の交換を行う小さな袋(肺胞)におこります。肺胞の数が減ったり、破れたりするために、肺のガス交換の能率が低下してきます。そのため肺活量は低下します。また、十分に空気を吐き出したと思っていても、肺の中に残る空気の量(残気量)が増加し、血液中の酸素が不足します。ひどくなると炭酸ガスがたまるなど、肺全体のガス交換機能が低下してきます。このため、ちょっとした運動に際しても、息切れが出現しやすくなります。このような変化は、たとえば肺炎など、肺の病気になったときに病気をより重くしたり、回復を長引かせることにつながります。また、背中を丸めた姿勢をとり続けると、肺の働きは低下することになり、肺気腫による障害をさらに促進させることにもなりかねません。
■肺の気腫化を進行させる楽な姿勢
 胎児のときには、他の哺乳動物と変わりない姿をしていますが、成長して座り、歩くようになると、次第に脊柱に変化がおこり、立って歩く動作にふさわしいように、脊柱が弯曲してきます。これが生理的脊柱弯曲(せきちゅうわんきょく)といわれるものです。つまり、人間が立って歩くための最も理想的な形に、背骨は自然に変化してくるのです。こうした生理的な変化があるからこそ、長時間立っていても、たいした疲労もなく耐えることが可能になっているのです。ところが、いったん完成された生理的脊柱弯曲は、加齢とともに徐々に変形を増していきます。これは脊柱の構造上の問題であり、止めることはむずかしいのですが、変形のスピードを遅らせたり、変形を最小限に止めることは可能です。筋肉には、曲げる力と伸ばす力がありますが、一般的には、伸ばす力よりも曲げる力のほうが強いために、意識しなければ、どうしても曲がるほうに傾いてしまいがちです。背中の筋肉も同じです。背中を丸める筋肉群が、背中を伸ばす筋肉群よりも筋力が強いためにどうしても前屈みになってしまい、曲げているほうが楽。ところが、楽だからといって、曲げてばかりいれば、背中を伸ばす筋肉を使うことが少なくなり、よく使う筋力は強くなり、あまり使わない筋力は弱くなるという原理から、ますます背中は丸まってしまうという悪循環をたどることになります。前屈みの姿勢は、内臓にも影響を及ぼし、なかでも最も関連があるのは肺。背中を丸めた姿勢をとり続けると、肺の働きはさらに低下することになり、肺気腫による障害を促進させることにもなりかねません。肺の気腫化は、かなり症状が進んでからはじめて発症することが多く、多少の変化では気がつかないことが多いのです。なぜ気腫化をおこすのかについてはよくわかっていませんが、高齢になると大なり小なり肺気腫をおこすことから、加齢変化であると考えられています。

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